#今日買った・届いた本を紹介する 昨日まで数日届いた分。 台風で閉じ籠り、 お盆だから幽霊譚でも読み耽る。 『ジョヴァンニの部屋』は、『ネイティヴ・サン: アメリカの息子』『地下で生きた男』R.ライト、『見えない人間』エリソンの流れで、黒人文学の古典名著の記念復刊に絆されて購入。

『武器よさらば』ヘミングウェイ 大久保康雄/訳 北イタリア戦線に従軍したアメリカ人将校が、前戦で死線を乗り越え、野戦病院で出会った看護婦を想い、戦線を離脱して逃げ、その再会の果てに。 雨を怖がる彼女との会話や、夢でのイメージ等、死への運命を垣間見る #日本怪奇幻想読者クラブ

「バルタサルの素敵な午後」ガルシア・マルケス 大工バルタサルが、金持ちのホセ・モンティエルの息子ぺぺの注文で作った鳥籠は、世界中で一番美しい出来で、小鳥が入ってなくても、木立に吊るすだけで囀りだすとかと噂が広まり... 一緒に住む女性ウルスラが気になる 『ママ・グランデの葬儀』所収

「モンティエルの未亡人」ガルシア・マルケス 恐怖によって町の経済を支配していた金持ちのホセ・モンティエルが死亡。未亡人は、町の人の復讐を恐れ、遠くにいる息子や娘たちにも見放され、働き者の使用人カルミチャエルと共に密かに暮らすが、やがて狂気に蝕まれ... 『ママ・グランデの葬儀』所収

『プークが丘の妖精パック』 『ご褒美と妖精』 キプリング(Joseph Rudyard Kipling, 1865-1936) 待望の邦訳とその続編。 『ジャングル・ブック』『少年キム』のインドものしか知らなかったが、サトクリフらにも影響をあたえたイギリス幻想児童文学の源泉を垣間見る。 #日本怪奇幻想読者クラブ

「適切な愛」グレッグ・イーガン （『しあわせの理由』所収） 事故で重症を負った夫のクローンを、妻が母胎で育てるなんて。胎児のうちに脳に干渉し、生化学的偽装により二年間で強制に成熟、健康に成長させる。一番安く長くかかる方法。 お熱い仲の夫婦におススメする哲学的なSF短編。怪物誕生かも？

「愛撫」グレッグ・イーガン （『しあわせの理由』所収） 殺人事件の現場、地下室にいたのは眠るキメラ、豹の体に女性の頭部の複合体。象徴主義の絵画の世界を実現させる大金持ちの意図は何なのか？ 『クノップフ展図録』を本棚から探して魅入る。さて両性具有の人物は誰か #日本怪奇幻想読者クラブ

「創造の帽子」ロバート・ブロック 植草昌実/訳 （『新編怪奇幻想の文学5幻影』所収） スランプの小説家バーナビー・コッドは、パーティで出会った赤毛の女性から、 奇妙なヘルメットのような帽子を創作活動に使うように託される。 　 魔女キルケが住む緑の惑星 #日本怪奇幻想読者クラブ

「チャドボーン奇談」H.S.ホワイトヘッド（Henry St. Clair Whitehead,1882-1932） 牧原勝志/訳 『ナイトランド・クォータリー4』所収 冒険家ケインヴィンが語るコネティカット州東部の田舎町における食人鬼（グール）の一篇。『ジャンビー』収録以外の作品も是非読みたい。 #日本怪奇幻想読者クラブ

「ウィリアムスン」H.S.ホワイトヘッド 高木国寿/訳 『怪奇幻想の文学5怪物の時代』所収。 ジェラルド・ケインヴィンの学友ウィリアムスン・モーリィとは、どんな異形なのか読んでのお楽しみ。左右の足でブラシを持ち赤茶色の髪をとかす？ 『ナイトランドクォータリー4』所収 #日本怪奇幻想読者クラブ

「ミス・アヴェナル」 「ミス・コーネリアス」W.F.ハーヴィー 『五本指のけだもの』所収 どちらも邪悪な女性に翻弄される短編。 吸血鬼ならぬ吸精女（サイキック・ヴァンパイア）と、騒霊ならぬサイコパスによる狂気 後者はサクソンの妻の手紙も不可解でいつから狂ったのか #日本怪奇幻想読者クラブ

「道具」「セアラ・ベネットの憑依」 W.F.ハーヴィー 『五本指のけだもの』所収 　 どちらも霊に翻弄される短編。 荒野で死体を発見し、さらに不可解な一日だけの記憶喪失となる牧師。 妻の記憶にすら残らない遙か昔、借金を残し遠くの戦地で亡くなった夫の悔恨。 #日本怪奇幻想読者クラブ